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2012年環境経営講演会 ダイジェスト
立ち上がれ中小企業-省エネ・環境をバネにして-
2012年2月22日(水)、 東京都千代田区・東商ホールにて、第6回目となるエコステージ協会主催の環境経営講演会が開催された。「立ち上がれ中小企業」をテーマに、前半は基調講演 と特別講演、後半は優秀事例の招待講演とともに、協会の最新動向やメッセージも紹介。多くの参加者が来場し、熱心に聞き入った。







東 日本大震災からほぼ1年を経過し、日本企業の復活が期待される中、今回の講演会の趣旨を説明。日本的経営が見直されつつあり、「特に環境活動の分野で、 ICTが科学と感性を融合する重要な役割を担う」と語り、既に企業復活のヒントが多く見られることを紹介し、開会を宣言した。


厳 しい経営環境の中でこそ経営の効率化につながる環境経営は重要度を増し、全社一丸で推進するためには人材の育成がカギになると説明。「経済産業省内でも人 材育成に力を入れるとともに、多くの成功事例を広く発信し、環境経営を根づかせたい」と語った。また、経済産業省の中小企業支援策事業の協力要請に、エコ ステージ協会が応えたことに対して感謝の意を表した。


東 日本大震災から中小企業が立ち上がるためには、省エネ・節電、さらに創エネという視点が重要であると紹介。サプライチェーン寸断から復旧する実践的 BCP(事業継続計画)の構築、震災から学ぶ経営プロセスの見直しについて解説した。さらに、今後は「環境だけでなく、環境(E)、社会(S)、ガバナン ス(G)のESGの取り組みこそが、サスティナブル経営に繋がる」と強調した。


省 エネ、化学物質管理、ライフサイクルシンキングなど、企業が立ち上がるためのキーワードを提示、工場省エネの事例、環境適合設計(DfE)、カーボンフッ トプリント事業など、豊富な事例をもとに最新動向を紹介。企業を取り巻く状況が急速に変化する中、「中小企業は、大手企業の動きを見極めてから動くのでは なく、常に時代の変化に強い関心を持って迅速に対応すべき」と助言した。

「三 方よし」の創業精神をもとに、金融機関として初めてエコステージを導入した大垣信用金庫の事例を紹介。省エネ・省資源の推進に加え、「だいしん環境改善 ローン」など金融機関ならではの商品の開発業務改善提案を行うSLIM(Speed,Lowcost,Innovation,Mind)活動、取引先への 5S指導などの幅広い活動内容を説明し、取引先まで巻き込んだ環境経営の大切さを語った
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環 境マネジメントシステムを経営管理システムまで拡大し、2011年、日本品質革新賞を受賞したツカサ電工の事例を紹介。自動化機器で「小型・高トルク・省 エネルギー」のカギとなるDCギヤドモータを主力製品とする同社では、エコステージで構築したPDCAを基本に小口生産管理システムを整備。環境と一体化 した経営管理システムが効率的で、効果も高いことをわかりやすく提示した。
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2008 年のリーマンショックに打撃を受けた後、環境経営の仕組みを最大限に生かし、復活を果たした三進商会の事例を紹介。他社工場で塗装業務を請け負う同社で は、従業員の意識向上が課題。お客様だけでなく、全社員に向けた"見える化"を行うことで意識の一体化を図ることができ、現場の若手社員が中心としたボト ムアップの活動が、技術力の底上げに繋がったことを力強く語った。

昨 年の福島原発事故に端を発する電気料金値上げ等の不安に加え、温室効果ガス算定・報告の「GHGプロトコル」の「スコープ3」でサプライチェーンまで算定 基準が拡大したことにより、中小企業にとっても省エネ対策が喫緊の課題であることを解説。エコステージ協会では、こうした状況にいち早く対応し、エネル ギーマネジメントシステムの研究を進めている現状を 紹介した。

「節 電」「省エネ」に対応したセミナー開催や新サービスの展開、グリーン調達からCSR調達へのニーズ変化に伴うCSR経営認証の策定など、エコステージ協会 における最新の動向を紹介。どのような時代にあっても、緊密なコンサルティングを柱に経営強化を支援することがエコステージの役割であることを改めて強調 し、多くの企業とのさらなる信頼関係を築いていくことを宣言した。

今回の講演や事例それぞれの内容を総括し、経営強化に向けた多くのヒントがあることを指摘。「立ち上がれ中小企業」の講演タイトルどおりに、今後もエコステージ協会が中小企業を全力でサポートしていくことを誓い、講演会を締めくくった。

「2012年環境経営講演会」アンケート集計結果より
-来場者にご記入頂いた多数の回答の中から、いくつかご紹介します。(原文のまま)-- ・リスクマネジメントの5カ条が参考になった。
- ・環境からESGへの理念が分かった。
- ・グローバルな動きを知ることが出来ました。
- ・事業者と社会(国内・国際)との関係が良く分かり、ヒント(事業計画)にします。
- ・物作り側からの視点で解り易かった。
- ・業種が違うが、ホットスポット(最重要ポイント・現状把握)は良かった。
- 生活者に対してのエコステージのアプローチが有効と感じます。
- 金融機関としての取り組み内容等、とても分かりやすい説明で参考になりました。
- 取組み方がよく分かった。「三方よし」も取り入れたい。(言葉を変えて)
- ES取得の経緯や背景、具体的取組み内容等、詳細にわたる説明をいただき参考になりました。
- 工場の使用電力の10%を自家(ソーラー)発電というのに驚き。
- P.D.C.A・5S・7S運動の効果、良く出ている。
- 具体例が多く、環境⇔利益のイコールが身にしみて感じた。
- コスト削減、仕事の規格化・標準化についての話が参考になりました。
- 教育の重要性、目標達成への取組みが良い。
- ISO50001との関連についての知識を得ることが出来ました。
- 今年、これから企業として緊急で対応しなければならない課題が良く理解できました。
- 今後のエコステージの動向について及びCSR経営認証について理解できたので。
- エネルギーマネジメント認証について検討したい。
- 売上高・利益額も低い零細企業でもエコステージを導入することによって、利益体質の強化になるかを吟味してみたいと思っています。具体的には、介護(医療)業界を対象に考えています。ご指導方よろしくお願い申し上げます。
- ものづくり以外の事例を聞くことができたのは、サービス関係取引先にEMS推奨するうえで役に立った。
- 優秀事例3件の講演はとても興味深く伺うことが出来ました。参考にさせて頂きたい事が何点もあり、当社に活用して活動していきたいと思います。エネルギーに関しても厳しい状況が予測されますので、気を引き締めて取組んでいきたいと思いました。