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2013年環境経営講演会 ダイジェスト
地域から広げよう、中小企業のグリーンパワー
-Value Chainのマネジメントが持続可能なグリーン経済を実現-
2013年2月20日(水) 東京都千代田区・東商ホールにて、第7回目となるエコステージ協会主催の環境経営講演会が開催された。「地域から広げよう、中小企業のグリーンパワー」をテーマに、環境・ものづくりの専門家による基調講演や特別講演が行われ、さらに環境経営の成功事例、エコステージ協会の最新動向も紹介。多くの参加者が来場し、講演後には質疑応答も活発に行われた。

21世紀をマクロ的な視点で捉えたとき、日本では高度情報化社会から高度知識化社会に移行しつつあり、自身の経験から高度知識化が品質の向上につながることを紹介。「製造現場においても、単なるモノの品質だけでなく、企画からマネジメントまで、あらゆる面での品質が求められている」と語り、エコステージの事例が経営上の大きなヒントになると説明し、開会を宣言した。


経済産業省では、中小企業、なかでも小規模企業の競争力強化のためのプラットフォームを整備中であることを紹介。環境問題をはじめ、海外進出、M&Aなど、多様化する企業の経営課題に応えるために、中小企業の支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度を創設し、「環境を切り口とした経営強化を目指すエコステージとともに、中小企業をサポートしていきたい」と語った。


大熊 奈津子氏
省エネの手段は、ムダなく賢く使う「運用改善」と、建物自体や設備を改善する「設備更新」に大きく分けられ、それぞれに自治体の支援事業、補助金、融資制度があると紹介。「ダイエットのように、着手できるところから始めてほしい」と語り、平成24年度エネルギー使用合理化事業者支援事業や税制改正などによって、今後さらに手厚いサポートが用意されていることを解説した。


「環境」に関する世界の動きを展望し、「今後は中小企業においても、国際標準化への対応、Value Chainへの対応が一層求められる」と強調。設立10年目を迎えたエコステージ協会の新たな一歩として、「経済産業省の金融支援策とエコステージのコンサルを両輪とした連携」「コンサルの強化に向けた人材育成」「アジアを中心としてものづくりの国際化対応」などに注力していくと語った。


1995年に発行以来、初の抜本的改正が行われるIS014001について、改正に至る経緯と内容について詳しく解説し、「現状とのギャップを埋める大幅な改正のため、従来の常識を変えないと対応できない」と語った。MSS(Management System Standard)共通要求事項の上に環境の要求事項を組み込む構造となり、「組織の状況」「リーダーシップ」「バリューチェーンの計画及び管理」などの要求事項が新たに加わったと紹介。より環境パフォーマンスを重視する改正であると指摘した。

省力化ソリューションをテーマにした、配電盤のメーカー、松栄電機の取り組み事例を紹介。長年の省エネ活動で使用電力削減が頭打ちになる中、省力化の視点で新たな取り組みを実施。自社製の電力監視システムによる計測作業の自動化、社内データの電子化、クラウドサービスによる外部委託などで省力化を進め、さらにこれらの活動が新たな省力化製品の開発につながったと語った。

トップダウンとボトムアップを融合させ、全員参加で取り組んだコルコートの事例を紹介。ISO9001を認証取得していた同社では、より経営品質の向上を目指すためにエコステージを導入。従業員が活動しやすい環境方針を設定し、研修制度や優秀事例企業の見学など、自律的な活動を支援することで一人ひとりの環境意識が浸透し、多くの改善を果たしたと語った。

取り組み開始から6年間でエコステージ3までステージアップした、コンポーネントパーツ製造の村井索道の事例を紹介。3S活動から始め、在庫削減、CO2削減など、段階的に目標を追加し、掲示板やエコ新聞などの見える化や中間マネジャーの育成により、環境活動がレベルアップ。コスト削減だけでなく、取引先の評価向上や工場見学者の増加など、多くの無形効果があったと語った。


エコステージ協会の最新動向を紹介し、特にエコステージを導入している企業が品質革新賞など日本科学技術連盟の賞を5年連続で受賞していることに触れ、中小企業の経営強化を支える認証制度であることを強調。今後は国の進める中小企業支援策に対応した「経営革新ステージ」を設定するなど、さらに中小企業へのサポート施策を推進すると力強く語り、講演会を締めくくった。









「2013年環境経営講演会」アンケート集計結果より
-来場者にご記入頂いた多数の回答の中から、いくつかご紹介します。(原文のまま)-- 今後、インターネットもチェックしたくなりました。
- 省エネ取組みの方向に間違いないことが確認できました。(P.D.C.A)
- 色々な補助制度があることがわかった。
- 環境改善が経営アップの手段。現エコステージに参加し理解を得た。
- エコステージES-SS(CSR)へと展開する中で、エコステージのスタンスを自社方針展開に盛り込むことが可能。
- どうすればエコステージが経営に効力足り得るのかのきっかけを得ました。
- 大手企業が充実している中、中小もその中身をよりパワーアップし社会へ貢献したい。
- トータルMSとしてQ.C.D.S.M.E.GのCSR的な展開模索での方向性理解につながった。
- 以前から疑問に思っていた予防処置の説明が良かった。MSSについてもわかりやすかった。
- 社内全体の活動が成果に繋がっている。羨ましい会社です。
- 省力化ソリューション、社内データの電子化、データベースソフトの内容が参考になりました。
- 書類作りまで支援業務の効率化に取り組んだ点に好感を得た。
- 認証後に何をすべきか、どうやってやるのかについて、とても具体的で分かり易い説明だった。
- 積極的な活動が印象的であり、見習うべきと感心した。ISO9001とエコステージ融合を考えているので参考になった。
- 品質とエコステージ両側面を共通化。具体的な流れがわかった。
- 取り組みに対する社員からの抵抗など、負の面も正直ベースで聞かせていただけてありがたかった。
- 改善活動の基本3Sをしっかりやっている事が判り易い、またエコステージⅠ→Ⅲへのステップアップの流れが参考になった。
- 企業支援が明確で教育&職場強化が優れている。
- 企業の求める方向に進んでいる。
- エコステージの特徴的な有効性・実効値としての件数増と方針展開理解。(ES→SS)
- ステージUPしている企業が増えている事実が知り得て良かった。
- 後半の事例研究は具体的に紹介していただき、非常に参考になりました。3例ともとても良い事例だと思いました。
- 経営品質というと"JQA"を思い浮かべますが、エコステージとの関係はどのように考えることができますか?
- 中小企業向け環境マネジメントの今後の動向に注目している。EA21、エコステージ、KES等(MSS共通要求に対しての変化)の具体的変化について、エコステージの多彩なメニュー(CSR経営認証)について学ぶ必要性を感じる。経営革新ステージにも期待する。